インビザライン
歯並びを整える治療として最も一般的な方法は、歯に矯正専用のボタンのような矯正器具と、それを繋ぐワイヤーを装着し、歯を少しずつ動かしていくやり方です。この治療法は効果がしっかりと現れますが、笑ったときなどに矯正装置が見えてしまうのが欠点です。
特に仕事柄人に接することが多い方など、矯正装置が見えてしまうことが大きなコンプレックスに感じる方も多いでしょう。
歯並びを整えながら、このコンプレックスを払拭する矯正治療が「インビザライン」です。
インビザラインの4つの特徴
見た目のコンプレックスだけでなく、健康にも様々な効果をもたらす矯正治療ですが、その中でもインビザラインは、従来の矯正方法と全く異なった特徴があります。
1.透明で目立たない。矯正治療を行っていることがわかりにくい
インビザラインで使われるマウスピースは透明に近いウレタンで作られており、歯に装着しても歯列矯正を行っているように見えないところが大きな特徴です。
従来の矯正では、口を開けたときに金属の装置がどうしても見えてしまいます。透明なマウスピースで見た目が目立たないため、矯正を行っていることを知られたくない方にはとても適した治療法と言えるでしょう。またマウスピースに厚みがなく薄いため、違和感もほとんど感じません。
2.完全オーダーメードによるマウスピースで、理想的な歯並びを手に入れる
患者さんに応じた精密な治療計画を立てることで最終的な歯並びを設定します。
この治療計画に基づいたデータにより作成されるマウスピースは完全オーダーメードであるため、患者さんの治療データに沿った治療結果、理想的な歯並びを手に入れることができると考えられます。
3.金属アレルギーの方にも安心!金属を使わない矯正治療
従来の矯正治療に使われる矯正装置は、金属のものが多く使われています。このため金属アレルギーのある方には従来の金属製の装置ではアレルギー症状が出る心配があります。
インビザラインは金属を一切使わないアレルギーフリー素材のため、金属アレルギーをお持ちの方でも安心して装着することができます。
4.取り外しが可能なため、お口の中を清潔に保つことができる
インビザラインは取り外し可能のマウスピースによる矯正治療のため、口の中の衛生環境が保ちやすいことも大きな特徴です。
従来の矯正治療は装置の周りに汚れが付着しやすく落としにくいため、虫歯や口臭になるリスクがやや高めです。取り外し式のインビザラインでは、従来型と比べて歯磨きやフロスがしやすく、口の中の衛生環境が保ちやすいため虫歯や口臭などのリスクを抑えることができます。
インビザラインによる矯正治療とは
インビザラインによる矯正治療は、患者さん一人ひとりに合ったマウスピースを毎日装着し、歯並びを整えていく方法です。
担当医がインビザラインを行うための検査や型取りなどを行って、必要なデータを採取します。このデータを基に、患者さんの細かな歯の動きや最終的な歯並びが確認できる立体的な治療計画が作られます。
この治療計画により患者さんに合ったマウスピースが作成され、患者さんの元に届きます。マウスピースが手もとに届いたら、1日20時間以上装着し、2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで徐々に歯を動かして歯並びを整えていきます。通院は6~8週間ごとに担当医に治療の進み具合を確認してもらいます。
インビザラインは、通院回数が従来の矯正治療と比べて少ないことも特徴のひとつです。
歯並びを整えることで得られる効果とは
そもそも、なぜ歯並びを美しく整える必要があるのでしょうか。美しく整った歯並びはコンプレックスを解消し、素敵な笑顔を作り出すほかにも、歯や体の健康を守る上で大切な役割を持っているのです。
1.虫歯や歯周病を作りにくくする
歯並びが乱れていると、歯ブラシの毛先が届きにくいため汚れが残り、歯垢の温床となります。そこに細菌が棲みつくことで虫歯や歯周病菌になるリスクが高まりますが、歯並びを整えることでブラッシングしやすくなり、汚れを綺麗に落として虫歯などになるリスクを抑えることができます。
2.正しい噛み合わせで顎の関節や体の健康を守る
乱れた歯並びは噛み合わせと大きく関係します。噛み合わせのバランスが崩れると、噛むときに顎の筋肉や関節に異常な力がかかってしまうため、顎の痛みなどを引き起こす原因になってしまいます。
また頭痛、肩凝りの原因や、しっかり噛めないことで消化不良なども引き起こされてしまいます。
このような体の不快症状を改善するためにも実は矯正治療が効果的です。
歯並びを良くする矯正治療は、同時に噛み合わせを正しく整えることも目的としており、噛み合わせの悪さにより起きていた上記のような不快症状を改善に導きます。このように、噛み合わせを整えることは体の健康を守るとても大切な役割を果たします。
3.明瞭な発音、バランスの良い顔立ちなど
歯並びが悪いと、発音が不明瞭になることがあります。特に歯と歯の間に隙間がある場合、空気が漏れて相手が聞き取りにくいと感じてしまう場合があります。
歯並びを整えることで正しい発音、明瞭な言葉として相手に伝えることが出来るでしょう。
また矯正治療を行うことで顎の位置が正常に整い、噛み合わせのバランスが取れます。
このため顎がスッキリとし、均整の取れたバランスの良い顔立ちを作る効果も期待できます。
なお、症例によりインビザラインでは思うような矯正効果が得られない場合があります。
また虫歯や歯周病の方は、マウスピースが届くまでの期間を利用して治療を済ませておきますが、重度の歯周病などの場合、インビザラインによる歯列矯正が難しい場合があります。担当医と十分に相談してください。
目立たない矯正治療で、理想的な歯並びを手に入れる
歯並びにコンプレックスを持ち、笑顔に自信のなかった方、矯正装置が見えてしまうことに抵抗がある方にとって、インビザラインは目立たず歯並びを整えることができる理想的な治療法です。
インビザラインによる矯正治療をお考えの方は、まずは症例や実績の多い歯科医院でご相談ください。
インビザラインの流れ
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1
カウンセリング
治療についての説明をさせていただき、矯正治療を行うことができるかどうか判断後、専門医によって患者さんの歯並びを確認させていただきます。
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2
精密検査
レントゲンによる顎の状態のチェック、噛み合わせの確認、歯型の採取、口腔内写真と顔写真の撮影を行います。
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3
具体的な治療計画説明
当院の専門医が細かな治療計画をご説明させていただきます。
患者さんの歯が治療前と治療後でどのように動くのか患者さんご自身で画面を見ていただき、3Dシュミレーションによる解説をさせていただきます。治療期間および具体的な治療費用のご説明もさせていただきます。
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4
治療開始の準備
インビザラインのマウスピースを装着するにあたって、虫歯および歯周病の確認がとれた場合、治療をいたします。
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5
治療開始
インビザラインのマウスピースをはめていただきます。専門医の指示により治療を進めていきます。
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6
保定処置
歯の移動が終了し矯正装置を外すことになっても、移動したての歯はまだ不安定なため、放っておくとまた元の位置に戻ろうとします。それを防ぎ、歯を支える骨がしっかりと安定した状態になるまで、
リテーナーという保定装置を装着します。保定期間は約2年です。
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7
メインテナンス
歯の矯正が終了し、器具も取れた後はきれいな歯を維持していくために定期的に検診を受けていただくことが大切です。歯のクリーニング、ブラッシング指導を行って歯の衛生管理をします。