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こんにちは、スタッフの佐藤です^^
今回は、むし歯の原因菌として知られるミュータンス菌についてですが、
実は最近の研究で、約10人に1~2人のお口にいるミュータンス菌の仲間が
お口から血流に乗り体内に入り込んで「脳出血に関与している」
ことが明らかになってきたのです。
この特殊な菌株のミュータンス菌は、脳の中でどんな悪さをするのでしょうか?
正解は、「脳の血管を攻撃する」という悪さをする菌株のミュータンス菌なのです。
通常のミュータンス菌は、菌体の表面に「歯のくっつくタンパク」
「砂糖を分解して酸をつくるタンパク」「ベタベタのバイオフィルムをつくるタンパク」
をもっています。
この3つのタンパクは、むし歯に関わるものでどのミュータンス菌もたいがいもっているものです。
ところが実はその仲間の中に、さらに特殊な能力を持つものがいるのです。
乳酸菌にもたくさんの種類があるように、ミュータンス菌にも種類があるのです。
たいていの方は一種類で、多い方で2種類から5種類くらいのミュータンス菌がお口にいます。
その中に「コラーゲンに結合するタンパク」をもつ菌株があり、
血管などの組織が壊れるとコラーゲンがむき出しになりますが、
そうしたところのコラーゲンにくっついて悪さをします。
そのミュータンス菌の種類を「Cnm陽性株」といいます。
今では、10人に約1~2人が持つともいわれています。
Cnm陽性株がコラーゲンにくっつくと、どういうことが起きるかというと、
例えば血管が痛むと、壊れた部分のコラーゲンがむき出しになり出血します。
本来なら血小板がすぐにやってきて止血をするのですが、
Cnm陽性株のミュータンス菌がコラーゲンにくっついてしまうと、
血小板の仕事の邪魔をするので、出血が続いてしまうのです。
そして、感染したところにベタベタの塊を作ってしまうのです。
また、脳ドックでMRIを受けた方の脳の微小出血と
唾液の細菌検査の結果から脳出血とCnm陽性株感染の相関が明らかにもなっています。
Cnm陽性株による脳血管への攻撃を防ぐには、
細菌が体へ入り込む「入口」をお口の中に作らないことなのです!
まだ若くて元気なうちは、細菌が侵入しても、足場になる血管の傷を見つけられず
ウロウロしているうちに免疫細胞がやってきて一瞬にしてやっつけてくれます。
しかし、年齢とともに免疫細胞の働きが弱くなり、
血管に小さな傷ができ始めると、そこを足場にしてくっつき、出血を悪化させてしまいます。
セルフケアだけでなく、プロフェッショナルケアを組み合わせて、
健康管理をしてくことで予防していきましょう!
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